【 つくバス さん 】の受験生日記
2008年11月9日(日) マキシマムザ分析 
こないだメールの着信音をドラクエのレベルアップ音に設定しました。
おとといはレベルアップしまくりで嬉しかったです。
さて、前回のルール意識調査は今回の検証のための準備でもありました。


受験生日記にみる勉強時間と合格者の関係――勉強しても合格できない?――


【はじめに】
縁起でもないタイトルですみません。
「合格に必要な勉強時間は1000時間」
社労士受験生ならこのようなフレーズを1度は聞いたことがあると思います。
暗記量が問われる試験であり、勉強時間と暗記量はおおむね比例するからです。

これは果たして事実に基づいているのか、それとも迷信に近いものなのか?
平成20年度は難解な選択式問題が多く、救済基準も相まって、
相当の猛者達が泣かされました。
そこで「勉強時間が結果に反映されない年度もあるのでは?」という残酷な疑問が。


【これを読む際の注意点】
11月9日朝の時点で合格者を完全には確定できないため、自己採点からかなりの確率で
合格が見込まれる方は、合格とみなしました。また、日記が終了してから、
合格の申告をするライターも中にはいらっしゃいます。そのため後述のφ係数に
変動が生ずる可能性もあります。

あと、H20年度ライターの90%近くが複数年受験者であるという視点が、
この分析には完全に抜けています(ご指摘ありがとうございました)。


【検証手法】
合格発表日の翌日までに、合格者が日記で合格を発表しているという前提で、
受験生日記におけるライターの勉強時間と合格者数の関係を検証します。
数値を出すために、まずテーマを単純化します。

「OOOO時間以上勉強した人は合格で、0000時間未満しか勉強しなかった人は不合格」

そこで「クロス表分析」というのを用います。勉強時間と合否の連関をみるために、
クロス表から「連関係数φ(ファイ)」を割り出します(計算方法については後述)。
以下では、ざっくりとφ係数だけをみていきます。

────────── 連関係数の解釈表 ──────────
    「数値はどれだけ 『 1 』 に近い値か」
     → 二変数の関係の強弱の程度(目安)

       0.0 ≦ φ ≦ 0.2 ⇒ 「ほとんど連関なし」
       0.2 < φ ≦ 0.4 ⇒ 「弱い連関あり」
       0.4 < φ ≦ 0.7 ⇒ 「比較的強い連関あり」
       0.7 < φ ≦ 1.0 ⇒ 「非常に強い連関あり」
──────────────────────────────
「【質的】統計解析法」より抜粋

「合格に必要な勉強時間は1000時間」であることを一般化するためには、
勉強時間(1000h)と合否のクロス表において、少なくとも、
「比較的強い連関あり(0.4 < φ)」となる必要がありそうです。
ちなみに私の地元はレンコン生産量が日本一です。


【検証結果】
本試験を受けたライター数:63名

勉強時間と合否のクロス表:4パターン

1200hの場合
        |合格 不合格 |  計
_____|______|____ 
        |         |
1200h以上 | 2    8   |  10
        |         |    
1200h未満 | 7   46   |  53
_____|______|____
   計    | 9   54   |  63     φ = 0.07


1000hの場合
        |合格 不合格 |  計
_____|______|____ 
        |         |
1000h以上 | 4   16   |  20
        |         |    
1000h未満 | 5   38   |  43
_____|______|____
   計    | 9   54   |  63     φ = 0.11


800hの場合
        |合格 不合格 |  計
_____|______|____ 
        |         |
800h以上  | 5   26   |  31
        |         |    
800h未満  | 4   28   |  32
_____|______|____
   計    | 9   54   |  63     φ = 0.05


600hの場合
        |合格 不合格 |  計
_____|______|____ 
        |         |
600h以上  | 9   39   |  48
        |         |    
600h未満  | 0   15   |  15
_____|______|____
   計    | 9    54  |  63     φ = 0.23


 勉強時間別の合格者等の分布
         |合格 不合格 |  計
______|______|____ 
1200h以上  | 2    8   |  10
1000h-1199h| 2    8   |  10   
800h-999h  | 1   10   |  11
600h-799h  | 4   13   |  17 
599h以下   | 0   15   |  15


【検証結果の考察】
H20年度の受験生日記ライターに限って言えば、
「勉強すればするほど合格が近づく」というわけでもないようです。
式で表すとすると、

勉強時間↑ = 合格確率→(ちょい斜め上の矢印と思ってください)

という感じです。φ係数は、いずれも「ほとんど連関なし」「弱い連関あり」にとどまっており、
1、2人合格者が追加されたところで、「比較的強い連関あり」になる可能性は極めて低いです。

裏を返せば、勉強時間以外に合格するための重要なファクターがあることになります。
それは運であったり、勉強方法であったり、そもそもの動機であったり、
数値に表れてこない様々な要因が関わっていると思われます。

可能であれば、勉強時間と本試験の択一の点数の相関を検証したかったです。
回帰分析をかければ、その2つの間に正の相関が認められるかもしれません。
さらに、択一の点数と合格の連関を検証できればなおよかったです。
択一の点数と暗記量は比例すると思うので、暗記量(努力)が合格に結び付くか検証できます。

つまり「勉強時間↑ = 択一の点数(≒暗記量)↑ = 合格確率↑」が成り立つかどうかに
検証の価値があります。年度によってもおそらく結構な違いがでるでしょう。

今回の分析は、真ん中の「択一の点数↑」のところがすっとんでいるので、
分析として体をなしているのかなぁ、と自分でも疑問を感じざるを得ません。

これってもしかして、必ずしも働く時間が多ければ多いほど成果があがるわけではない
ことと似ているかもしれません。「じゃあ成果とは何か?」って話になるとまた難しいですが。


【検証結果等から導き出されるアドバイス】
最低でも600時間は勉強しないと合格基準に達しないようなので、ぜひ確保してください。
H14~H19の受験生日記ライター合格者の91%は、600時間以上の勉強時間を確保しています。
また1500時間以上だと択一でぶっちぎれる傾向にあるようです。

「600死守で1500ブッチ」の法則と勝手にネーミングしてみます(笑)。
「600死守で1500ブッチ CHOOSE WE NEED」でも良いです。


【おわりに】
ご協力頂いたライターの皆様方、ありがとうございました。
惜しくも努力が報われなかった受験生にとっては酷な分析だったと思います。

社労士の勉強を始める前は、「とんでもない人達しか合格できない試験なのか?」
と思っていましたが、やってみたら結構できてしまったという感じです。
次は税理士受験生となりますが、あの手この手で根気よく攻略していきます。

私はときどき人から「あなたの能力を社会に還元しなさい」みたいな感じで怒られます。
だからそろそろ自分の能力を社会に還元するお!


【連関係数φの計算方法】

        |合格 不合格 |  計
_____|______|____ 
        |         |
1000h以上 | a   b    |  a+b
        |         |    
1000h未満 | c   d    |  c+d
_____|______|____
   計    | a+c b+d   | a+b+c+d  


φ = {(a/(a+b)-c/(c+d))(a/(a+c)-b/(b+d))}^(1/2)

補足: ^(1/2) = 0.5乗 = √(ルート)  例: 2^(1/2) = 1.4142......

参考文献等 「ゼロから学ぶ線形代数」
         「本当にわかりやすいすごく大切なことが書いてあるごく初歩の統計の本」
         「【質的】統計解析法」(ウェブサイト)
          http://www006.upp.so-net.ne.jp/dokugaku-club/Study/stbook/ch06.htm
【今日の勉強時間 0.0時間】

2008年11月7日(金) 結果報告
合格しました。

スキップを100歩宙吊りで動機なく飛び回る気分とはこのことです。
合格基準をみたときには戦慄を覚えましたが。

運だけで合格したとは思っておりませんが、条文バリバリの国年救済は正直
運の要素が強いです。「納付金の納付」の神に感謝いたします。

日記ライターの皆様方、運営者およびスタッフの方々、某LEC加盟校のスタッフの方々、
井上先生や北村先生、一緒に勉強してくれた友人、私の勉強を影で支えてくれた家族や
有形無形のものに感謝を申し上げます。ありがとうございました。

これからお礼参りに行ってきます。
【今日の勉強時間 0.0時間】

2008年11月6日(木) やる夫シリーズ
今夜は緊張して6時間くらいしか眠れないかもしれないので、
「やる夫が看護師になるそうです」を読みました。

ネタの活きの良さからみて間違いなく看護師経験者がストーリーを練っているでしょう。
生々しさと妙な丁寧さにリアリティを感じました。

「やる夫が社労士になるそうです」で誰かネタ作ってくれないかなぁ。

やる夫   「選択式はぶっちゃけ運だお!」
やらない夫 「それは違うな、やる夫。選択式っていうのはな…」
【今日の勉強時間 0.0時間】

2008年11月4日(火) 合格発表後の反応はいかに?
合格発表まであと3日です。ボーダーなのでさすがにドキドキしてきました。
昨年は緊張の「き」の字もなかったので、ある意味では幸せです。

あと3日も待てないと思いつつも、「今から1時間後に発表されます」
と言われたら、それはそれで困るという心境です。

一応喜びバーション、悲しみバージョン、微妙バージョンを想定しています。
喜びバージョンでは、喜びの余り道路を猛ダッシュする予定で、
悲しみバージョンでは、机につっぷして小一時間ほどよだれを垂れ流す予定です。

微妙バージョンというのは、自分は合格したけど合格基準がものすごく不可解な場合です。
これでは落ちた人は発狂するだろうなと感じさせる基準です(選択救済の例:労基労災健保1国年)。
微妙バージョンでの予定は未定ですが、とりあえず喜びと戦慄のインターバルがかかりそうです。
【今日の勉強時間 0.0時間】

2008年11月3日(月) OO休暇
新聞を読んだら、「バーゲン半休」「失恋休暇」を導入している企業があるという
記事がありました。新興の事務所などは福利厚生で独自性を打ち出す必要が
あるかもしれませんね。そこでいくつか休暇を考えました。

・セミナー休暇
  個人的に参加したいセミナー・勉強会等に出るための休暇
  年間10日まで取得可能

・雑用半休
  平日の午前中とかでないとできない雑用をするための半休
  月1回取得可能

・ブルーマンデー休暇
  サザエさんを観ていたら出勤意欲が失せたので、そのまま連休にしてしまう休暇
  3月に1回取得可能

・失踪休暇
  ある日世捨て人になりたくなったため、90日を限度に事後承諾で失踪を認める休暇
  3年以上勤務した従業員が対象。1回のみ取得可能

・まとめて年次有給休暇
  2年分ため込んだ年休をいっぺんに消化する休暇
  最大40日前後の連休が可能
【今日の勉強時間 0.0時間】

2008年11月1日(土) 日記を書くということ 
受験生日記にみる規範意識――本試験前と本試験後の書き込み数の変化を通して――

【はじめに】
「勉強のペースメーカーとして書き込むこと」「毎日書き込むこと」
などのお約束がログインする際に必ず表示されます。

このサイトにおけるルール違反とは、日記を毎日書き込まないことです。
「試験が終わったら書き込まなくても良い」とはお約束のどこにも記載されていません。
そこで、本試験前後でルール違反っぷりがどのくらい増長されているかを検証してみました。

【検証手法】
本試験前の連続していない3ヶ月(全部の月は面倒くさいため)
及び本試験後の9、10月における各ライターの日記の書き込み日数をカウントし、
各々1ヶ月あたりの日数を出します。1ヶ月が30日の月は補正をかけてあります。
タイトル部分に日付がない場合は、理由の如何を問わずノーカウントとみなしました。

【検証結果】
10/31時点での受験生日記のライター:64名

          1ヶ月あたりの書き込み日数と人数
①本試験前               ②本試験後
30日以上31日以下 16      30日以上31日以下 10
25日以上30日未満 14      25日以上30日未満  5
20日以上25日未満 11      20日以上25日未満  4
15日以上20日未満  8       15日以上20日未満  9
10日以上15日未満  5       10日以上15日未満 14
5日以上10日未満  10      5日以上10日未満  16
5日未満         0       5日未満         6

③本試験後の1ヶ月あたりの書き込み日数の変化と人数
1日以上増えた         4
ほとんど変化なし       12
1日以上5日未満減った  15
5日以上10日未満減った  12
10日以上15日未満減った  15
15日以上20日未満減った  4
20日以上減った        2

④1ヶ月あたり書き込み日数の平均
本試験前 22.1日
本試験後 15.6日

【検証結果の考察】
ざっくりみても、本試験後の書き込み日数が減少していることは明白です。

①と②の比較では、熱心にアップしていた層がだいぶボトムに流れています。
③では、書き込みが増えたのが4名だったのに対し、「5日以上10未満減った」
以下の層を合計すると33名となり、書き込みの減少を裏付ける結果となりました。

その原因として、
1.日記が学習のペースメーカーとしての意義を失った
2.学習からの解放とともに日記の存在も気にしなくなった
3.学習しなくなったことで書き込むネタがなくなった
4.不合格決定だから日記を書く気力がない
などのことが考えられます。

ルールを守ることよりも、日記を書く動機の有無の方がより重要だということを
データは示唆しています。

【あとがき】
私事ですが、いつものように無断駐車をした時、ふとひらめきました。
「最短最速サイトは、実はルール意識の壮大な実験場だったりして」
むくむくと湧きあがる変態的な探究心は、もはや抑えることができません。

あとこれらデータ採取にはまた別の狙いがあります。
たぶんかなり受験生の役に立つでしょう。それは次の機会で。

最後に、毎日あるいはほぼ毎日日記を書かれていると思われる
鉄の規範意識を持つライターの方々です。

Yケンさん、kittannさん、みうみうさん、浪速の千代さん、NSさん、
つぼみさん、ふみふみさん、モリクミさん、ポカラさん、やーまんさん、
ネオンテトラさん、さんじさん、りんごさん、

拍手です。とても素晴らしいです。ライターとして尊敬に値します。エクセレント!
【今日の勉強時間 0.0時間】